グッピーにおいて5組の同父半兄弟グループを作成し、標準体長を生後0日目から生後180日目まで30日間隔で測定し、各測定日ごとに遺伝率を算出した。 1)生後0日目の遺伝率は母親成分が高い値を示し、雌親からの遺伝的影響が強いことが示唆された。 2)雌個体において母親成分は常に高い値を示したが父親成分は常に低い値だった。 3)雄個体において母親成分は生後90日目以降低下したが、父親成分は増加し高い値を示した。 4)F系統とS3系統との交配実験よりF1、F2を得、生後180日目における体長の系統差に関与する有効な遺伝子数を推定したところ雌が2.9、雄が1.8であった。 5)以上のことから体長の系統差は少数の伴性遺伝する遺伝子によって支配されている可能性が示唆された。 この内容は2000年7月にオーストラリア、タウンズビルで開催された国際学会Genetics in Aquaculture VIIにおいて発表された。
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