クッピーにおける体長の系統差と連鎖するDNAマーカーの検索を行ったところ以下の成果が得られた。 1)グッピーにおける半兄弟間の分散分析から遺伝率を求め、体長におよぼす遺伝的要因の影響を調べた結果、雌では母親の影響が強く、父親の影響は低いこと。雄では生後60日目まで母親の影響が強く、その後父親の影響が強くなることが明らかになった。 2)生後180日目における体長の系統差に関与する遺伝子数を大型系であるF系統と小型系であるS系統との交配実験から求めた。その結果、雌では2から4の遺伝子が、雄では2から3の遺伝子が関与している可能性が示された。 3)グッピーにおいてマイクロサテライトDNAマーカーの開発を行ったところ、15のマーカーが開発された。これらはPret-1からPret-15と命名された。 4)グッピーにおいて開発されたマイクロサテライトDNAマーカーを用いて体長の系統差と関与するマーカーの検索を行ったが、有意な連鎖関係を示すマーカーは検出できなかった。 今回開発できたマーカー数は体長の系統差と関与するマーカーを検出するには数が少なかった。今後より多くのマーカーを開発し分析を行ってゆく必要がある。
|