日本近海の各魚種の漁獲量の年変動をデータベース化した。また、漁獲物の年別齢別漁獲尾数から過去の資源尾数を推定する方法について、噛乳類学の分野で新たな研究の展開があり、その方法を取り入れつつ、最尤法を用いて資源尾数を推定する方法を考案した(次年度発表予定)。 また、不確実性、非定常性を取り入れた資源管理政策は近年欧米でadaptive managementと呼ばれる方法が定着しつつあり、その紹介を行うとともに(鷲谷・松田1998)、その手法と日本の水産資源学でかって提唱されていたフィードバック管理の類似性を指摘し、後者に基づく管理方策を道東地域エゾシカ保護管理政策に応用した(Matsuda et al.1999:Res.Pop.Ecol.)。これらの管理政策を水産資源管理に応用した場合の有効性と問題点について紹介した(松田1998)。また、浮魚類の過度の利用がどの程度絶滅の恐れを招くかについて解析し(Matsuda et al.1998)、持続可能な漁業と生物多様性保全の関係について論じた(Matsuda1998)。
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