研究概要 |
本研究の期間は2年であり、まだ十分な成果を発表できる時期ではないが、これまでの実績の概要は次のとおりである。 すでにパソコン用計算プログラム(最少費用ネットワークフローモデルを解くためのもの)は完成し、このプログラムよる幾つかの計算実績がある。例えば Lily Lin and T. Kawaguchi,"Study on Reducing Raw Milk Transportation Cost in Taiwanese Dairy Industry", J.Fac.Agr.,Kyushu Univ.,43(1・2):269-280,1998。 また現在、乳業再編に伴う乳業工場や指定団体のクーラーステーションの再編の実態等について、ブロック化が進んでいる関東ブロックの各県(千葉県、茨城県、埼玉県、群馬県、山梨県、東京都、栃木県、静岡県、神奈川県)の指定団体を中心に現地調査を行っている最中である。つまり2月17日に東京都の中央酪農会議需給調整対策室を訪問し、全国のブロック化の進展状況について聞き取り調査をし、特に関東ブロックの進展状況について全体的な資料収集を行った。2月18日には千葉市の千葉県酪農業協同組合連合会を訪問し、クーラーステーションの統廃合の状況、各クーラーステーションから乳業工場への輸送ルート、輸送手段と単位輸送費(又は輸送距離)、乳業工場の統廃合の状況と見通し、千葉県内の主要酪農地帯の生産動向など、ブロック化への対応について詳細な聞き取り調査を行った。関東ブロック各県については、千葉県酪連の場合とほぼ同じ内容の聞き取り調査を、後日、水戸市梅香の茨城県酪農業協同組合連合会(茨城県酪連と略記、以下同様に略記)、大里郡川本町の埼玉県経済連、前橋市の群馬県牛乳販売農協連、中巨摩郡昭和町の山梨県酪連、中央酪農会議会議室で東京都酪連、宇都宮市の栃木県酪連で行った。また年度内に静岡市の静岡県経済連、伊勢原市の神奈川県酪連の調査を予定している。 この調査結果や酪農主産地の生産構造の実態調査結果をもとに、乳業工場やクーラーステーションの合理的な立地配置に関する分析を、上述のプログラムを利用して行う予定である。
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