研究課題
本研究は、動静の著しい和歌山県園芸産地を事例に、生産者の経営構造の変化と産地対応という視点から分析することによって、地域農業(園芸産地)再編のメカニズムを解明し、さらには今後国内産地に求められる課題を提起することにある。本年度は研究計画に基づき研究を実施したが、以下の点について成果を得た。1. 流通の「大型化」・「国際化」の実際を和歌山県園芸産地の実態に即して把握するため、県農業協同組合連合会等に対してヒアーリングを行うとともに、既存統計資料を整理・分析した。その結果、和歌山県下園芸産地再編の形態については、以下の7つに類型区分できることが判明した。(1)「重量型→軽量・軟弱型」への野菜産地の再編、(2)「野菜→花き」産地への再編、(3)「常緑果樹→集落果樹」への果樹産地の再編、(4)「品質転換」による落葉果樹産地の再編、(5)「品目の高度化・差別化」による常緑果樹産地の再編、(6)「常緑果樹→花き」産地への再編、(7)果樹園地の拡大による産地再編。このため次年度は、各類型ごとに流通の「大型化」・「国際化」のもとでの産地に対するインパクトの要因を詳細に分析する。2. 上記の類型区分に即して、園芸産地の展開過程を整理・分析するため、各産地(農協)に対するヒアーリングを行った。調査農協は延べ16農協である。次年度は、各産地ごとの生産者の経営構造の変化と特徴に関する実態把握を行う。3. 農協系統再編及びk地域農業再編と関わって農協に求められる機能・役割を解明するため、県農業協同組合中央会等に対してヒアーリングを実施した。県下では平成12年度に向け8合併農協構想が進行していることが明らかとなった。次年度は上記1.2の研究等を通じて農協に求められる機能・役割の解明を行う。
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