本年度の研究は、以下の作業に基づいて実施された。 1)急速に変容を遂げる移行期経済における経済改革の状況とそれに関する研究成果について再サーベイが文献のレビューを通して実施された。 2)ポーランドのワルシャワ経済大学のコバルスキー助教授と農業食料経済研究所のゴライ部長より、ポーランド農業省農業食料経済研究所が収集する農家サーベイ個票データと中央統計局が集計した地域別データを入手した。 3)農業生産組織の種類別、地域別にデータを入力し、データベースがつくられた。 4)前年度に構築された、制度・政策変化の経済効果の分析を含み農業生産組織の経済行動を定量化する農業生産行動、投資・貯蓄行動、消費行動に関する分析モデルを使い、計量分析が実施された。 5)ハンガリーの農家サーベイ個票データと中央統計局が集計した地域別データを入手した。またそのデータの分析が実施された。 6)総括作業においては、分析により明示化された農業生産組織の行動を踏まえ、現実に存在する経済政策について問題検討がおこなわれた。さらに持続可能な農業発展を図るために重要な制度・政策についても考察が加えられた。そして報告書の取りまとめをおこなった。また、分析結果の一部は、別論文にして日本農業経済学会、国際農業経営学会、欧州農業経済学会の大会で報告された。そのうえ、国際農業経済学会の大会で発表すべく論文が用意され、大会本部へレビューのために提出された。
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