| 研究概要 |
てん菜栽培の画期的な労働時間短縮を目標とし,現在人手による作業に頼っている直播栽培の間引き除草を自動化するべく,画像処理を使った自動間引き株間除草機の開発研究を行った。本年度は,ビデオカメラで撮影した画像から,色情報のみによっててん菜と雑草の識別を試みるとともに,間引き除草機構の試作を行い,以下の結果を得た。
1. 植物体と背景土壌の分離法を様々な外光条件の下で実験研究した結果,RGB空間において最適分離平面を決定することができ,てん菜と雑草の分離識別には,YIQ表色系に変換したのち植物体のQ値を使用することにより,55〜78%の雑草を分離識別できた。
2. 間引き除草機構は2個の回転円盤刃を取り付けた開閉アームをコンピュータによって開閉制御する方式とし,緑色の紙片を列べた模擬作物列で作動性能を検討した結果,てん菜株位置は平均±3mm以内で認識でき,アームの開閉動作位置は±2mm以内の精度で動作可能であったが,円盤刃を地中で回転させるのは抵抗が大きく,間引き除草刃の改良が必要である。
来年度はてん菜と雑草の分離識別に,形状特徴量を用いた方法を試みるとともに,間引き除草機構の改良を行い,実用機開発を目指す。
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