研究概要 |
収穫後青果物のガス環境環境下を操作した(低O_2,高CO_2)鮮度度保持技術を行うにあたって,青果物のガス環境に対する生理特性を把握することは重要である。本研究では周辺O_2濃度を急減させた時のエダマメ、ミニトマトのO_2吸収速度,CO_2排出速度およびエチレン(C_2H_4)生成速度の応答性について検討した。実験ではまず20%O_2通気時の呼吸速度を自動ガス代謝計測装置により測定し,呼吸が安定したことを確認後,通気ガスのO_2濃度を急減させ,呼吸速度の測定を続けた。ミニトマトにおいては成熟果と緑熟果について実験を行い,C_2H_4生成速度の測定も同時に行った。 全ての実験区においてO_2濃度の急減に対して呼吸およびC_2H_4生成速度は指数関数的に減少した後,一定となった。低O_2濃度への順応過程の呼吸,C_2H_4生成速度を(R-Re)/(Ro-Re)=exp(-Kt)で表し(R:時間tにおける速度,Re:平衡状態での速度,Ro:周辺O_2濃度変化前の速度,K:応答定数)、非線型最小二乗法でReとKを推定した。エダマメについてはO_2濃度の急減に対し,O_2吸収反応が先に,CO_2排出反応が遅れて応答した。高温ほど,また低O_2濃度への変化ほど,ガス環境の変化に対する呼吸速度の応答は速かった。におけるCO_2排出速度はO_2濃度の急減に対し成熟よりも緑熟ミニトマトの方が速く応答した。緑熟果ではO_2吸収反応が先にCO_2排出反応が遅れて応答するが,成熟果ではO_2吸収速度,C_2H_4生成速度,CO_2排出速度の順で応答した。O_2濃度の急減に対する呼吸速度の応答性は,温度,O_2濃度や,青果物の熟度,品目によって異なることが分かった。
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