研究概要 |
(トラクタ自動走行システムの作成) ACモータ駆動による操舵装置を装着したトラクタ(K-4212DT)と,公称精度0.20mのRTK-DGPS受信機(ノバテルRT20-E)を位置検出装置として用いた自動走行システムを作成した。試験圃場におけるGPS受信機の位置検出精度は,GPS衛星配置の悪条件を除けば,相対計測の場合で最大0.10mであった。本システムを用いて草地圃場(平均傾斜1.7°)で自動走行を行った結果,低速(0.3m/s)の直線走行の場合,偏差は0.3m以下であった。 (圃場マップ作成システム) 圃場の地形を3次元で把握するために,DGPS(ノバテルRT20-E)を用いた計測システムを作成した。これは,昨年度試作した作業ナビゲーションシステムをフレームとしている。ディスプレイ上に示される,圃場座標に変換された走行軌跡をオペレータが確認しながら走行することによって,GPSから出力される3次元情報を計測することができる。20m×150mの圃場において,長辺方向に100mの走行を短辺方向に1m間隔で15回計測した結果,高さの平均誤差は0.04m(最大0.14m)であった。各計測は縦断測量に相当し,それらを統合処理したところ,ほぼ実際の圃場の等高線図を作成することができた。また、人力よる測量と比べて約6分の1に時間を短縮できた。 (肥料散布マップと収量マップとの比較) 作業ナビゲーションシステムの機能を使って,肥料散布時の走行軌跡を捉え,試験圃場の肥料散布マップを作成した。その後,1番草を刈取り,収量マップを作成し,肥料マップと比較検討した。その結果,肥料の散布むらの収量への影響はほとんどみられなかった。
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