研究課題/領域番号 |
10660246
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
玉木 浩二 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (70011921)
|
研究分担者 |
樹野 淳也 東京農業大学, 地域環境科学部, 助手 (40297594)
田島 淳 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (30188239)
加藤 雅義 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (20078223)
吉村 正敬 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (30078141)
|
キーワード | 塩類土壌 / 太陽熱利用 / 蒸留 / 節水潅がい / 水蒸気潅がい / 都市農業 |
研究概要 |
塩性土壌に苦しむ地帯に太陽エネルギ利用の蒸留システムを導入し、節水灌漑方式と組み合わせることにより栽培可能に、あるいは栽培期間を延長することが可能であると考えられるので本研究を開始した。太陽熱蒸留器に関しては歴史的にも古く、多くの試みがなされているが、これらの試みは主として飲用水を得ることを目的としている。この研究でも、当初蒸発部と凝縮部とが一体となった水盤型太陽熱蒸留器とリーキーパイプを利用した節水型栽培システムの研究を行ったが、その性能に限界があることが判明した。次ぎに、蒸発部と凝縮部が分離しており、得られた水をリーキーパイプによる節水潅がいの水として使用する方式を実験した。蒸発部と塩類を含む水を飲用水として利用する場合には、効率を上げるため蒸発部と凝縮部とを分離し蒸留水を得る方式が実施されているが、蒸留後の水を栽培に有効に利用するためには、蒸発部により得られた蒸気を直接土壌中に導き、土中で凝縮させる方式(水蒸気潅がい)がより有効であることがこれらの実験より示唆された。この方式による栽培実験は現在予備実験を開始したが、平成11年度中には結果が出るものと期待している。この方式は蒸留部、蒸気を導くための穴のあいたパイプ、及び栽培糟によりコンパクトに構成されており、この方式により栽培された野菜は、都市などで汚染された水環境の元に暮らず人々に良質な栄養を供給しうる都市農業の有力な方式となるものと思われる。
|