「ヒト腸管上皮細胞表層の糖脂質をモデルとしたL..acidophilusグループ乳酸菌の腸管付着機構解析のための新スクリーニング法」を用いて、酸性糖脂質との付着性の高いL..gasseri JCM1131^T、JCM1025、SBT267、LA39およびLA187を選抜した。 レクチン様SLPはGM1およびGD1aに対して付着性を示し、GM3およびGD3には付着せず、エピトープはGa1β1-3GalNAcあるいはGalNAcβ1-4Gal構造であることが示唆された。また、NeuAcは付着性には関与していなかった。次にL.gassei JCM1131^TのSLPからの糖脂質糖鎖付着成分(47kDa)の単離を行い、N-末端配列情報よりDNAプローブを作成して、染色体DNAのHindIII3.6kbにハイブリが確認できた。また、中性糖脂質混合物に対する付着性試験を行った。JCM1131^TではLacCerに強い付着性が確認され、エピトープとしてとしてGalβ1-4Glcである可能性が強く示唆された。次にGdlaおよびLacCerを吸着させたPVDF膜を用いて、糖鎖付着性のレクチン様成分を単離した。 これらの知見をもとに、レクチン様成分の遺伝子導入により菌体表層に発現させれば、新たにヒト腸管定住性を獲得する方向に誘導可能であると考えられる。
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