研究実績の概要 合鴨雛の耐寒性ならびに水への順応性について、行動生理学的に解析した。その実験成果は次の通りである。 (1)耐寒性および水への順応性の指標として、合鴨雛の生理的諸元を、テレメーターにより検討したが、雛に取り付ける発信器の小型化が困難であり、さらに改善が必要である。(2)水への順応性の指標として、合鴨雛の行動学的解析を試みた結果、横転するまでの水浴時間が、最も有効であることが判明した。(3)孵化後0日齢の雛が水への順応性が最もよく、卿化後の日齢が進むにつれて、横転までの水浴時間が短かくなり、水への順応性が悪くなることが明らかとなった。(4)洗剤で洗った雛は非洗浄の雛に比べて横転までの水浴時間が短くなる傾向を示した。したがって卵殻から卿化した直後の雛は、羽毛に脂肪が付着しており、水を弾く能力を有しているものと推測された。
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