環境調和型農業の1技術モデルとして合鴨農法が注目されている。しかしながら合鴨農法において、水田放飼して間もない合鴨雛が低温や降雨にさらされると死亡するケースがみられる。そこで本研究では行動生理学的な見地から、合鴨雛の体温調節機能、耐寒性ならびに水への順応性について検討した。 1.合鴨雛の水への順応能力 合鴨雛の水への順応能力は孵化直後(0日齢)の雛が最も高く、日齢の経過とともにその能力は次第に低下することが明らかになった。また日本の合鴨は中国系在来種とインドネシア在来種に比べて高い水順応能力をもつことが示唆された。 2.合鴨雛の体温調節機能 合鴨雛は孵化後約1週間で体温調節機能を獲得することが示唆された。 3.合鴨雛の耐寒性 合鴨に比較して中国系在来種とインドネシア在来種は耐寒性において優れていることが示唆された。水浴下における合鴨雛の耐寒性において0日齢の雛が最も優れ、日齢がすすむほど劣ることが明らかとなった。
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