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1999 年度 実績報告書

酸性ホスファターゼのチーズ熟成への寄与に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10660262
研究機関日本獣医畜産大学

研究代表者

阿久澤 良造  日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (40147864)

キーワード酸性ホスファターゼ / プロテアーゼ / チーズ
研究概要

酸性ホスファターゼのチーズ熟成への寄与を解明するために今年度は、牛乳由来酸性フォスファターゼおよび乳酸菌プロテイナーゼを精製し、それらの性質を明らかにした。さらには、チーズ熟成中での発生が予想される酸性ホスファターゼとプロテアーゼ類との協同作用(熟成メカニズム)について検討した。
1)牛乳由来の酸性フォスファターゼの精製と性質。
新鮮牛乳から調製したバターミルク(BM)と脱脂乳(SM)をAmberlite IRC-50(NH^+_4 ),DMAE-Cellulose,Sephacryl S-200にかけることによって行われた。BM中にlつ、SM中に2つの活性が認められた。これらのうち主なBMおよびSM酸性ホスファターゼの最適pH、温度は、ともにpH4.5-5.5、40°Cであった。熱安定性は、75°Cの加熱に対しBM酵素はl0分間、SM酵素は60分間で完全に失活した。他、検討した性質から、牛乳中に酸性ホスファターゼのアイソザイムの存在が示唆され、それらは脱脂乳中またはMFGMに結合していると思われる。
2)Lactococcus lactis ssp lactis IAM1198プロテイナーゼの精製と性質
L.lactis IAM1198から、各種クロマトグラフィーによってエンドペプチダーゼを精製した。本酵素は分子量が95,000で、45kDaと52kDaのへテロサブユニットで構成されていると推定された。本酵素のcarbobenzoxy-L-phenylalany-L-arginine-4-methyl-coumaryl-7-amideおよびL-arginine-4-methyl-coumaryl-7-amideに対するKm値は、それぞれ38μMと25μMであった。本酵素はエンドぺプチダーゼとアミノぺプチダーゼの両活性を示した。
3)酸性ホスファターゼとプロテイナーゼとの協同作用について
乳/乳酸菌由来の酸性ホスファターゼ類を作用させた後のカゼイン/ホスフォぺプチドに対する乳酸菌プロテアーゼ類の活性は、細胞膜由来乳酸菌酸性ホスファターゼを作用させたホスフォぺプチドに対し高い活性が認められた。これらから、特に細胞膜由来乳酸菌酸性ホスファターゼが熟成中の脱リン酸化に関与していると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.K.R.Flynn: "Characterization of isozymes of acid phosphatase isolated from bovine milk."Irish Food Science. 165 (1998)

  • [文献書誌] Ryozo Akuzawa: "Purification and characterization of endopeptidase from Lactococcus lactis ssp lactis IAM1198"Milk Science. 48・2. 93-101 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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