研究課題/領域番号 |
10660290
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
種池 哲朗 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (30048110)
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研究分担者 |
北澤 多喜雄 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (50146338)
横田 愽 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (90137414)
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キーワード | 5-Hydroxytryptamine / 5-HT_7受容体 / 子宮筋 / RT-PCR / 妊娠子宮 / 筋層差 / Cloning / ^3H-5-carboxamidotryptamine結合 |
研究概要 |
今年度の検討点及びその結果は以下に示した通りである。 (1)5-HTによる収縮抑制作用の筋層差の解明 5-HTのブタ子宮筋収縮抑制作用が筋層により異なる(輪走筋>縦走筋)のは、5-HT_7受容体(^3H-5-carboxamidotryptamine結合部位)の分布密度が筋層で異なることにより(輪走筋:縦走筋=4:1)、細胞内で増加するcyclic AMP量に筋層差(輪走筋>縦走筋)が生じることが原因であることを明らかにした。受容体分布の筋層差は、5-HT_7受容体code遺伝子の発現の差(輪走筋>縦走筋)からも支持された。この検討内容は、Br.J.Pharmacol(in press,2000)に掲載済である。(2)5-HT_7受容体code遺伝子のcloningPCRと5'-RACE法及び3'-RACE法を組み合わせブタ5-HT_7受容体全長のcloningを試みた。現在のところ得られた塩基配列は2824bpで1161のアミノ酸code領域を含んでいた(開始コドンからの190bpは現在未単離)。単離した塩基配列から推定したアミノ酸配列には7つの膜貫通領域が推定され、ヒト、ラット、マウス及びモルモット5-HT_7受容体との相同性はそれぞれ96.9、95.3、93.5、95.6%であった。(3)妊娠子宮における5-HTの作用 屠畜場から得た妊娠子宮の自発収縮に対する5-HTの抑制作用は、縦走筋では増強したが、輪走筋では変化が認められなかった。現在、更にdataの追加中である。(4)妊娠期での血中5-HT濃度の変化 妊娠の経過に従い血中の5-HT濃度が変化するか否か検討したが、妊娠、分娩においても著変は認められなかった。(5)他種動物の子宮における5-HTの作用 マウス(収縮)、ウサギ(作用なし)、モルモット(収縮)、ウシ(作用なし)、ヒツジ(作用なし)の子宮筋に対する5-HTの作用を明らかにした。5-HTの作用には種差が認められ、収縮の抑制が観察されるのはブタのみであることが明らかになった。
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