8-12週令のBALB/c雌マウスから脾臓細胞を調整し、コンカナバリンA(ConA : 5mg/ml)またはプレートに吸着させた抗CD3抗体(aCD3-PB : 2mg/ml)で刺激して6日間培養した。培養後、上清に含まれるactivin活性をEDF assayにより検討した。ConAまたはaCD3-PBで刺激しなかった脾臓細胞の培養上清には、activin活性は検出されなかった(〈1.25ng/ml)。一方、ConAまたはaCD3-PBで刺激した脾臓細胞の培養上清中には、それぞれ6.5±0.40ng/mlおよび30.4±3.49ng/mlのactivin活性が認められた。このConAまたはaCD3-PB刺激によるactivinの産生は、T lymphocytesを除去した脾臓細胞やヌードマウスの脾臓細胞では認められなかった。 次に、CD4^+T lymphocytesの活性化に伴うactivin産生に就いて検討した。ナイロンウールカラムと抗CD8抗体及び補体を用いて、マウス脾臓からCD4^+T細胞を調整し、aCD3-PB刺激して6日間培養後、EDF assayに依りactivin産生を解析した。未刺激CD4^+T細胞の培養上清にはactivin産生が検出されなかったが(〈3.75ng/ml)、aCD3-PB刺激した脾臓CD4^+T lymphocytesめ培養上清には、高濃度(152.2±8.67ng/ml)のactivin活性が認められた。定量的PCR法によってactivinを構成するbA subunitの発現をmRNAレベルで検討した結果、aCD3-PB刺激した脾臓CD4^+T lymphocytesでは、未刺激のものに比してbA subunitの発現量が増加して居る事が明らかとなった。本研究により、CD4^+T細胞は抗原刺激を受けるとactivinを産生する事が示唆された。
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