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1999 年度 研究成果報告書概要

新しい致死性・広宿主域ヘルペスウイルスの病原性および分子構築

研究課題

研究課題/領域番号 10660299
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 応用獣医学
研究機関岐阜大学

研究代表者

福士 秀人  岐阜大学, 農学部, 助教授 (10156763)

研究分担者 松村 富夫  日本中央競馬会, 競走馬総合研究所・栃木支所・分子生物学研究室, 研究役
山口 剛士  岐阜大学, 農学部, 助手 (70210367)
研究期間 (年度) 1998 – 1999
キーワードヘルペスウイルス / 神経病原性 / ハムスター
研究概要

本研究の基礎となるEHV-9の動物に対する病原性解析としてウマへの感染実験を実施した.その結果,接種馬は発熱,ウイルス血症および鼻汁へのウイルス排出がみられたが,神経症状は観察されなかった.しかしながら,病理組織学的に非化膿性脳炎がみられ,EHV-9がウマに対して病原性を有していることが明らかになった.ついで,実験感染モデルを確率するため,シリアンハムスターに接種したところ,強い神経症状を示し,斃死した.病理組織像はトムソンガゼルの自然発生例に類似していた.したがって,ハムスター実験感染モデルがEHV-9の神経病原性を解析するためのモデルとして有用であることが明らかとなった.そこで,EHV-9を異種動物由来培養細胞で長期連続継代して変異株を作製し,この変異株の病原性を調べた.はじめに,EHV-9をうさぎ腎臓細胞RK-13で継代し,一定期間ごとに性状の変化を調べた.その結果,継代にともないウシ腎臓細胞においてプラーク形成させた際に,大きさが小さいプラークの割合が増加し,23代目ではほとんどが小プラークとなった.このMDBK小プラーク形成ウイルスはRK-13では野生株と同様のプラークを形成した.ハムスターにおける病原性を調べたところ,致死率および死亡までの期間に変化が見られ,弱毒化していた.以上の結果から,ウサギ腎臓細胞由来RK13細胞で連続継代することにより,プラーク形成能およびハムスターに対する病原性が変化した変異ウイルスを,さらにプラーククローニングを行うことにより,強毒型クローンおよび弱毒型クローンを得ることができた.プラーク形成能,ハムスターに対する病原性およびハムスター脳内ウイルス増殖能が互いに関連している可能性が示唆された.
本研究により,ウマヘルペスウイルス9型の病原性解明の基礎を得ることができた.しかしながら,病原性に関与するウイルス遺伝子に関しては同定するにいたらなかった.今後は,さらに動物レベルでの解析と分子レベルでの解析を有機的に融合させ,病原性発現に関与するウイルス遺伝子とその機能を明らかにする必要がある.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] A.Taniguchi: "Pathogenicity of a new neurotropic equine herpesvirus 9 (Gazelle herpesvirus I) in horses"Journal of Veterinary Medical Science. 62. 215-218 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] H.Fukushi: "A hamster model of equine herpesvirus 9 induced encephalitis"Journal of NeuroVirology. 6(印刷中). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] A. Taniguchi et al.: "Pathogenicity of a new neurotropic equine herpesvirus 9."J. Vet. Med. Sci.. 62. 215-218 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H. Fukushi et al.: "A hamster model of equine herpesvirus 9 induced encephalitis."J. NeuroVirol.. 6(in press).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2001-10-23  

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