研究概要 |
1.キチン・キトサンのプロリンヒドロキシラーゼ活性に及ぼす影響 ウイスター系ラット(♀、300±20g)を用いて、ペントバルビタールNa(35mg/kg、i.p.)による全身麻酔下で背部皮膚にキチン(1.0および10mg/ml)、キトサン懸濁液(0.1および1.0mg/ml)および生理食塩水を0.1ml含浸させたポリエステル不織布(1x1cm^2)を埋設し、4隅をナイロン糸で固定した。その後皮下組織および皮膚を常法にそって閉鎖した。2,4,7,11,14日目に動物を安楽死後、埋設材を回収し、埋設材に侵入した肉芽組織中のコラーゲン合成酵素の一つであるプロリンヒドロキシラーゼ(P-H)活性をHuttonら(1966)の方法で測定することにより、コラーゲン合成を評価した。埋設後、4日目までは全ての群において活性は低かった。その後対照群およびキトサン群では直線的な増加を示し、対照群では4日目に比べて7日目では5.5倍、11日目では8倍、14日目では9.5倍に増加した。キトサン群では、0.1および1.0mgとも対照群と類似し、4日目に比べて7日目では4.5倍、11日目では9倍、14日目では11倍に増加した。いっぽうキチン群においては、1.0mgキチン群では4日から14日にかけて対照群およびキトサン群同様に直線的に増加した。10mgキチン群では7日目に急激に増加し、その後プラトーとなった。これらの結果は組織学的所見と一致した。
|