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1998 年度 実績報告書

北海道、沖縄の紅斑熱群リケッチアの性状と媒介動物

研究課題

研究課題/領域番号 10660304
研究機関酪農学園大学

研究代表者

森田 千春  酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (50072369)

キーワード紅斑熱群リケッチア / 沖縄県 / イヌ / ヒト / マダニ / 間接蛍光抗体法 / PCR-RFLP / シークエンシング
研究概要

紅斑熱群リケッチア(SFGR)は世界中に分布し,我が国においては日本紅斑熱を引き起こすRickettsia japonicaの存在が知られている。最近,非流行地域において野生ネズミやイヌなどの動物に抗体保有が認められ,その地域におけるSFGRの浸淫が示唆されている。本研究ではいまだSFGR症の発生が報告されていない沖縄県を調査地として,SFGRの指標動物と考えられるイヌの血清517検体(放浪犬由来430検体,屋外飼育犬由来49検体,屋内飼育犬由来30検体,不明8検体),およびヒト血清164検体についてSFGRに対する抗体保有状況を調査した。同時に放浪犬の全血,および放浪犬あるいは飼育犬に寄生していたマダニ(Rhipicephalus sanguineus)からSFGRの検出を試みた。
間接蛍光抗体法による調査の結果,イヌで26.3%(136/517),ヒトで45.1%(74/164)の抗体陽性率を示した。また放浪犬の全血,および犬に寄生していたマダニから抽出したDNAを用いてPCRを行ったところ,放浪犬の全血および寄生マダニの両方でリケッチア属に特異的なDNA断片が増幅された。特異的な増幅が認められた検体について,RFLP 解析およびシークエンシングを行った結果,イヌの全血はR.japonicaと非常に類似していた。しかし寄生マダニはそれとは異なるものであった。これらのことから沖縄県に複数のSFGRが存在し,イヌおよびヒトが感染していることが示唆された。一方マダニから検出されたSFGRについては今のところ詳細は不明である。いずれにしろ沖縄県においていまだ患者の発生は報告されておらず,今回検出されたSFGRのイヌ・マダニ・ヒトにおける感染環,およびヒトに対する発病性など,詳細についてはさらなる調査が必要と考えられる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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