研究課題/領域番号 |
10660312
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
太田 一良 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70112315)
|
研究分担者 |
中村 豊彦 宮崎大学, 農学部, 教授 (90040857)
|
キーワード | Aspergillus niger / penicillium sp. / イヌリナーゼ / イヌリン / イヌロオリゴ糖 / 遺伝子クローニング / 固定化酵素 |
研究概要 |
1.黒麹菌Aspergillus nigerNo.12株はそのゲノム上に重複したエンド型イヌリナーゼ遺伝子inuAとinuBを保有する。inuAとinuBに特異的なDNAプローブを両遺伝子間でホモロジーが認められないそれぞれの3'非コード領域を基に作成した。イヌリン、フルクトース、またはグルコースを炭素とする本菌株の液体培養後の菌体からそれぞれポリ(A)+RNAを調製した。各RNAから逆転写反応とそれに続くPCRで、本酵素をコードするcDNAを増幅した。いずれの炭素源で増殖した菌体から調製したcDNAもinuBに特異的なプローブとのみハイブリダイズし、inuA由来のcDNAは検出されなかった。本菌株のゲノムDNAから両遺伝子のプロモータ領域をクローニングし、塩基配列を決定した。inuB遺伝子の上流に4ヶ所の転写開始点、翻訳開始コドンの116bp上流にTATAボックス(TATATA)が認められた。inuB転写産物のポリ(A)付加部位は、翻訳終止コドンの94〜297bp下流に多数存在した。 2.A nigerNo.12株が生産する細胞外エンド型イヌリナーゼをブロムアセチル・セルロース、セルロース・カーボネートおよびCNBr-活性化セフアロース4Bに共有結合により固定化した。固定化反応の最適条件において、それぞれ11.3、24.1、19.3%の活性収率が得られた。いずれの固定化酵素においても重金属や阻害剤に対して抵抗性を増大した。特に、CNBr-活性化セフアロース4Bに固定化した場合、イヌリン分解の最適温度が45℃から60℃に上昇した。PH安彦領域はブロムアセチル・セルロースに固定化した場合にはアルカリ側に、セルロース・カーボネートに固定化した場合には酸性側に移動した。Km値はブロムアセチル・セルロースに固定化した場合では低下し、CNBr-活性化セフアロース4Bに固定化した場合では上昇した。
|