《大豆タンパク質由来植物成長活性化》 ・ 大豆粕を高速(48時間以内〉に低分子化する微生物を分離した。 ・ 同定した結果、Bacillus circulans、B.stearothermophilus及びStreptomyces sp.と同定された。 ・ 分解産物には、化学合成肥料と同程度の植物成長活性化効果を有していた。 ・ 200リットルジャーファーメンターを用いて、効率のよい物質生産方法の確立を行った。 《植物成長活性化因子の解析》 大豆粕分解産物中の植物成長活性化因子の解析を試みた。大豆タンパク質自身の生理活性を調べるため、水溶性の画分と塩酸で完全に加水分解したものの植物生理活性を測定したが、これらの画分には活性は認められなかった。次に、各種プロテアーゼを用いて大豆タンパク質を加水分解させ、その分解産物の生理活性効果を調べたところ、同様に活性は認められなかった。これらの結果から、植物成長活性化因子は、本研究で得られたB.circulans HA12、B.stearothermophilus HA19およびStreptomyces sp.MF20株を用いた場合、特異的に現れる物質であることが明らかになった。また、HA12株を用いた場合の植物成長活性化因子を逆相クロマトグラフィーでシングルバンドになるまで精製し、物質の特定を行った。 《核酸を用いた土壌微生物量の定量》 本研究で見出された植物成長活性化物質は、土壌微生物も活性化する。そこで、土壌中の微生物量と核酸量との関係を指標に、土壌微生物の評価方法の確立を試みた。その結果、効率的な核酸抽出方法を確立し、土壌由来核酸量と従来の希釈平板法との間に相関が認められ、土壌中の核酸量から微生物量を定量する方法を確立した。
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