研究課題/領域番号 |
10670010
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 重徳 金沢大学, 医学部, 教授 (60004660)
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研究分担者 |
篠原 治道 金沢医科大学, 教授 (20135007)
中谷 壽男 金沢大学, 医学部, 教授 (60198124)
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キーワード | 発生 / 末梢神経 / 心臓 / ヒト / ジャコウネズミ / ニワトリ / ラット / 免疫組織化学 |
研究概要 |
1。ニワトリ胚とジャコウネズミ胚の心臓と大血管に分布する迷走神経の枝の発生について 我々は心臓の動脈門と静脈門から入る心臓枝(迷走神経心臓枝)と心臓神経節の発生を大静脈と肺静脈および心房中隔の発生と関連させて追跡し、静脈門側の心臓枝と神経節の発生において平成10年度に新たな知見を得た。しかしながら、文献を渉猟すると、心臓枝に関する用語は著しく混乱しており、正確且つ正確なデータの記載の仕様が無いというバリアに遭遇した。この混乱の原因は、肉眼解剖学者が発生学の重要な知見を考慮せずに、著者独自の命名を行ってきたことにある。それ故、すべての脊椎動物に適応可能な命名を確立し、Acta Anat Nippon(1998)73に発表した。 平成11年度は、その基盤に基づいて、ジャコウネズミの成体の頸・胸部を体壁と内臓を一緒に抗ニューロフィラメント抗体を用いて、全標本的染色を行った。これにより、これまで観察が極めて困難であった交感神経幹から起こる心臓神経を観察することに成功した。 平成11年度において、頸部交感神経幹から起こる心臓神経は、総頸動脈に沿って下行し、迷走神経と合した後、動脈門から心臓に達する。これに対して、胸部交感神経幹から起こる心臓神経は肋間静脈、奇静脈及び上大静脈の壁に沿って、心臓の静脈門に達するという新しい知見を得た。これを日本解剖学会第59回中部地方会に発表した。さらに詳細を第105回日本解剖学会全国学術集会で発表する予定である。 2。その他 (1)ヒトの心臓の心房中隔の中を走る環状動脈の副行路についてはKuge1(Amer Heart J,1927)の動脈の存在が知られているが、これと異なる破格が見つかった(論文投稿中)。 (2)ヒトの動脈の破格を発表した。 (3)ヒトの顎関節の老化についての論文を発表した。
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