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1999 年度 実績報告書

線毛の運動能に関連するG蛋白質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670013
研究機関三重大学

研究代表者

篠原 春夫  三重大学, 医学部, 助教授 (90187378)

キーワード線毛 / 脳室 / 上衣細胞 / G蛋白質 / ラット
研究概要

本研究はラットの脳室を裏打ちする上衣細胞・気管上皮細胞・卵管上皮細胞の線毛にどのような百日咳毒素感受性G蛋白質が存在するかを、GoとGiサブタイプ(Gi1,Gi2,Gi3)のαサブユニット対する抗体を用いて免疫組織化学的に明らかにすることを目的に行った。
麻酔したラットを灌流固定して脳・気管・卵管を取り出し、パラフィンおよび電子顕微鏡用樹脂に包埋した。光学顕微鏡用および電子顕微鏡用の切片を作製し、それらの抗体を用いて免疫組織化学的に検索した。また、脳室表面から線毛を多く含むペレット(cilia-rich pellet)を採取し,そのペレットと他の脳皮質の等量の蛋白を電気泳動してcilia-rich pelletにどういったG蛋白質が多く含まれている事を生化学的に検討した。
その結果、まず光学顕微鏡的には、上衣細胞の線毛・気管上皮の線毛・卵管上皮の線毛にはGi2が特異的に存在することが明らかになった。電子顕微鏡的に観察すると、Gi2は線毛の細胞膜に局在していた。また、cilia-rich pelletには他の脳組織と比較して多くのGi2が存在し、免疫組織化学的所見とよく合致した。
実験動物の脳室内に百日咳菌を注入するとそれらの菌は脳室を裏打ちする上衣細胞の線毛に集まるという報告がある。また、培養した気管に百日咳菌を加えると上皮細胞の線毛の運動が停止したが、線毛を持たない細胞はほとんど障害されなかったという。これらの報告および今回得られた結果から、脳室上衣細胞や気管上皮の線毛には百日咳毒素感受性のGi2が特異的に存在して線毛の運動能に関与している可能性が高い事が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Haruo Sinohara: "Localization of a G protein in the cilia of rat ependyma,oviduct and trachea"European Journal of Neuroscience. 10. 699-707 (1998)

  • [文献書誌] Masami Oguni: "Does light stumulus at eye opening of the developing rat influence retinal expression of GTP-binding protein(Go)?"Ophthalmic Research. 30. 84-89 (1998)

  • [文献書誌] Rika Morishita: "High expression of the γ5 isoform of G protein in neuroepithelial cells and its replacement of the γ2 isoform during neuronal differentiation in the rat brain"Journal of Neurochemistry. 73. 2369-2374 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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