今年度は胚中心Bリンパ球のRAG1 & RAG2発現調節に対して瀘胞樹状細胞が修飾作用を有している現象を見つけることに集中された。実験系が確立しやすいマウスでの瀘胞樹状細胞の分離は、それらの末梢リンパ組織であるリンパ節や牌臓が小さなことより現在極めて困難であるので、人肥大扁挑の手術材料より瀘胞樹状細胞を分離精製した。このことは同時に我々の実験が症例の状態に左右されやすく、今年度の実験結果にまだ明確な結論が出ない原因の一つである。すなわちin vitroに回収した人瀘胞樹状細胞は静止期の(IgD+)Bリンパ球を包み込み、12時間のナース時間内に、静止期の(IgD+)Bリンパ球をCD40とIL-7で刺激しRAG1&RAG2のmRNA発現を誘発させた程の明確さはかけるものの、症例によっては擬陽性と解釈できるものも確認できた。次年度には瀘胞樹状細胞とBリンパ球との反応時間の延長やSouthern blottingによる感度を上げた実験から再開して、瀘胞樹状細胞が瀘胞Bリンパ球のRAG1&RAG2の発現に影響を及ぼしている現象を明確につかみ、報告し、その後、瀘胞樹状細胞の細胞表面のどのような分子がその反応系を刺激しているのか研究を進める予定である。
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