研究課題/領域番号 |
10670025
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30181184)
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研究分担者 |
島田 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20216063)
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キーワード | ヒアルロン酸 / ヒアルロン酸結合タンパク質 / プロテオグリカン / BALB / c系マウス / 低硫酸化マウス / 短肢症マウス / 眼発生 / 組織化学 |
研究概要 |
正常動物における検索: 胎生10.5日齢から18日齢、生後0日齢から15日齢および生後8週齢のBALB/C系およびICR系マウスの眼部組織をビオチン標識ヒアルロン酸結合タンパク質(HABP)で染色して眼の発生時におけるヒアルロン酸の動態を光顕的に検索した。また一部の眼部組織は電子顕微鏡に供した。生後においてBruch膜の形成に伴い、含まれるグリコサミノグリカンはヒアルロン酸からコンドロイチン硫酸をへてデルマタン硫酸に変化して行った。また電子顕微鏡観察により、グリコサミノグリカンの変化に伴い、Bruch膜の構成が3層(色素上皮細胞基底膜、コラーゲン線維層、脈絡膜毛細血管板内皮細胞基底膜)から5層(色素上皮細胞基底膜、内コラーゲン線維層、弾性線維層、外コラーゲン線維層、脈絡膜毛細血管板内皮細胞基底膜)へと変化して行った。ビオチン標識ヒアルロン酸はin vitroにおいてはHABPと反応することが確かめられたが、パラフィン切片および凍結切片を用いたin vivoの検索では有効な陽性反応が得られなかった。切片内に含まれるHABP濃度が検出限界に満たないか、または可視化するために必要な濃度が得られない可能性が出てきた。ダコ社のEnvisionキットなどの増感反応を用いてさらなる方法の改良を試みている。 異常動物における検索: 先天的に硫酸基転移酵素の異常のために低硫酸化酸性複合糖質を産生し、結果として短肢症を生じるC57BL-bm/bmマウスより原因遺伝子であるbm遺伝子をBALB/cマウスに導入したBALB/c-bm/bmマウスの系統確立を継続している。生後0日齢から15日齢、4週齢、6週齢、8週齢、15週齢、30週齢、50週齢および80週齢の眼部組織を採取し、組織中に含まれるヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、プロテオグリカンの局在を検索している。硫酸化マウスのBruch膜では、デコリン含量が正常マウスよりも少ないことがわかった。またヒアルロン酸含量が同時期のマウスよりも多いことも観察された(第106回日本解剖学会全国学術集会にて発表予定)。
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