研究課題/領域番号 |
10670027
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
中島 裕司 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80207795)
|
研究分担者 |
吉村 和法 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20158497)
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60255122)
穂苅 茂 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90049859)
|
キーワード | 心臓形態形成 / 心内膜床 |
研究概要 |
形態形成において上皮組織が間葉に転換する現象(上皮-間葉形質転換または相互作用)は重要であり、心臓形熊形成における弁や中隔の原基である心内膜床形成はその代表的なモデルである。心内膜床は胚予期の心内皮細胞の一部が間葉細胞に形質転換し形成される内皮-間葉形質転換)。この形態形成運動は心筋から分泌される未知の誘導因子によることが報告されている。この誘導因子は胚心筋培養上清に含まれ、酸、アルカリ、熱に不安定で35%硫安で沈殿する。本研究の初年度の目的は鶏胚心筋培養上清からこの誘導因子を分離精製することである。種々のイオン交換体、吸着カラム、ゲル濾過を用いて培養上清を分画し、鶏胚心臓内皮細胞の三次元ゲル培養を用いて生物学的検定を行った。その結果、P、HA、Gカラムに吸着する分画に誘導活性が存在した。これらのカラムを組み合わせさらに精製を進めた結果、40%硫安分画のP、およびGカラムの二段階精製の分画に誘導活性を見いだした。さらにこれらの精製過程を組み合わせ3段階の精製を試みたが生物学的検定で誘導活性を見いだすことはできなかった。この結果からこれらのカラムを用いた誘導因子の分離精製は不可能と考えた。原因は目的因子の量的問題、複数誘導因子の内皮-間葉形質転換への関与等が考えられた。現在、免疫吸着カラムにより目的因子の精製を進める方針に変更し、マウスに粗精製標品を免疫し、モノクローナル抗体の作製を開始した。
|