研究概要 |
1.Ah受容体/Arnt複合体を、XREを含むCYP1A1 DNAの5'flanking領域単鎖とグラファイト基板上で反応させ、原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。複合体はDNA(+)鎖標品には結合したが、(-)鎖標品には結合しなかった。複合体の結合した(+)鎖標品では、DNA鎖が複合体結合部より少し離れた部位で屈曲する像がしばしば観察された。しかしながら、複合体をin situと同じ2本鎖DNA標品と反応させても、著明なDNA高次構造の変化は認められなかった。 2.培養肝細胞系(H4IIE)にDMSOで可溶化したMCを加え、MC投与後のAhR,ArntおよびHSP90の動態を免疫組織化学法で検出し、AhRからのHSP90の解離部位を高感度蛍光法および高感度化学発光法で調べた。HSP90の大部分は核に移行せず、AhRからのHSP90の解離部位が、核でなく、細胞質であることが明らかとなった。 3.蛍光測光および高精度フォトンカウンティングによる定量化のための技術的検討をおこなった。luminol発光法、およびさらに感度の高いECR法について正確な定量化を行える反応条件を確立することができ、CYP分子種発現の抑制系のin situにおける定量的解析がはじめて可能となった。
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