研究課題/領域番号 |
10670044
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松川 寛二 広島大学, 医学部, 教授 (90165788)
|
研究分担者 |
白井 幹康 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (70162758)
村田 潤 広島大学, 医学部, 助手 (00304428)
清水 順市 広島大学, 医学部, 助教授 (10126584)
|
キーワード | 心臓交感神経活動 / 神経性制御 / 心拍数 / 一回心拍出量 / 毎分心拍出量 / 抹消血管抵抗 / 動脈血圧 / 日常24時間 |
研究概要 |
1 平成10年度に開発した計測システムに関する2つの問題点を改善した。第一に、計算機CPUの動作速度の一層の高速化を計るとともに、計測ソフトウエアのバージョンアップを行い日常24時間にわたる全心拍にわたる大量データを400Hzで収集可能にした。また記録データの演算処理にかかる時間を短縮した。第二に、大動脈血流量計超音波プローブを軽量化し、慢牲ネコに応用できるようにした。またこの、血流計は電磁血流計とは異なり神経活動の記録と干渉しないため、心臓交感神経活動と血流量を同時記録できるという利点を持った。 2 上記システムを応用して、心臓交感神経活動は心拍数、一回心拍出量あるいは毎分心拍出量のどの変数を主に用いて心臓ポンプ機能を日常生理状態下で調節しているかという疑問を明らかにするため、日常24時間にわたる心臓交感神経活動、心拍数、一回心拍出量、毎分心拍出量、動脈血圧の同時記録を行い心臓交感神経活動と各心機能変数との相関を解析した。その結果、心臓交感神経活動は一回心拍出量よりも心拍数と高い正の相関を示したので、心臓交感神経活動は主に心臓ポンプの回転数(心拍数)を調節して心臓からの拍出量を制御すると思われた。 3 日常時にみられる心拍出量は運動時に数倍に増加する。このような運動負荷時にみられる心機能の心臓交感神経性調節を明らかにするため、慢性ネコを訓練しトレッドミル上で分速20-60mで1-2分間歩行運動を行わせ、その際にみられる心臓交感神経活動、心拍数および動脈血圧を同時記録した。心臓交感神経活動は運動開始後直ちに増加し、この増加は運動終了まで持続した。心拍数はほぼ心臓交感神経活動の変化に比例して増加した。このような心臓交感神経活動および心拍数の増加は歩行速度に比例していたので、運動強度に見合った心拍出量を得るために、心臓交感神経活動を増加させ心臓ポンプの回転を上昇させたものと考えられた。次年度では、心拍出量データを実際に計測し、この点をさらに検討したい。
|