研究課題/領域番号 |
10670050
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
太田 明 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10247637)
|
研究分担者 |
森 啓至 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40239596)
中島 昭 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20180276)
|
キーワード | 神経芽細胞腫 / テトラヒドロビオプテリン / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / リポポリサッカライド / GTPシクロヒドロラーゼI / 腫瘍壊死因子-α |
研究概要 |
#1. 一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)サブタイプのmRNAレベルの検討 NOSはテトラヒドロビオプテリン(BH_4)を介するdimerとして機能し、マクロファージ(Mφ)においてはリボポリサッカライド(LPS)の刺激によって活性化することが知られているので、神経系由来培養細胞であるマウス神経芽細胞腫N1E-115細胞においても、Mφ同様、LPSによりNOS mRNAレベルが変動するか否かを検討した。NOSの三種のサブタイプiNOS、eNOS、nNOSそれぞれにつき特異的なプローベを用いてreverse transcriptase-polymerase chain reaction(RT-PCR)を施行し、N1E-115細胞においてはiNOS並びにnNOSをコードするmRNAが同定され、塩基配列によっても確認された。nNOS mRNAレベルは本細胞において多く発現しているが、LPS刺激による影響を受けなかった。これに対し、iNOS mRNAはLPS刺激により始めてRT-PCRにて確認され、その発現量の増加が証明されたが、その発現レベルはnNOS mRNAレベルに比し極めて少量であり、LPS刺激によるiNOS活性の増大が生理的に有意なNO産生に至っているとは考えにくいと結論された。 #2. 細胞膜脱分極に伴うBH_4含有量とその合成系の律速酵素GTPシクロヒドロラーゼI(GCH)活性の変動細胞膜脱分極に伴いGCHが細胞質より細胞膜へ移動すること、並びにGCHがリン酸化されるという報告が有る.この知見を基に、マウス神経芽細胞腫細胞N1B-115を高カリウム溶液刺激にて脱分極させたが、細胞内BH_4含有量とGCH活性には有意な変化は生じなかった。 #3. 腫瘍壊死因子-α(TNF-α)刺激によるBH_4含有量とその合成系の律速酵素GCH活性の変動N1E-115細胞をTNF-αにて刺激することにより細胞内BH_4含有量とGCH活性が増大した。
|