研究課題/領域番号 |
10670079
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
布木 和夫 東北大学, 医学部, 講師 (10172743)
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研究分担者 |
柳澤 輝行 東北大学, 医学部, 教授 (90133941)
石井 邦明 山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
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キーワード | 不活性化ゲート / multimeric cDNA / Kvl.4 / Xenopus oocyte |
研究概要 |
電位依存性Kチャンネルの不活性化特性に関わる因子には不活性化ゲートの数とその受容部位の数およびその構成がある。本研究は不活性化特性と不活性化ゲート数との関係を明らかにするために計画された。このため、KチャンネルクローンKv1.4をタンデムに連結したdimericあるいはtetrameric cDNAを作製して、それらから得られたmRNAを用いてそれぞれ不活性化ゲートを4、2および1つ持つチャンネルをXenopusの卵母細胞に発現させた。すなわちdimeric cDNAはKv1.4の3'側にいわゆる“ball and chain"領域を欠いたKv1.4(ΔKv1.4)を連結させることによって、またtetrameric cDNAはKv1.4の3'側にΔKv1.4を3個タンデムに連結することによって作製した。Dimeric cDNAによってコードされるポリペプチド2つによって不活性化ゲートを2つもつチャンネルが、さらにtetrameric cDNAによってコードされるポリペブチド一つによって不活性化ゲートを1つもつKチャンネルが発現する。こうして得られたチャンネルを用いて不活性化と不活性化ゲート数の関係について検討を行った。二電極膜電位固定法を用いてこれらのチャンネルのmacroscopic currentsの不活性化の時定数を比較した結果、チャンネルあたりの不活性化ゲートの数が1,2ないし4と増加しても不活性化の時定数は必ずしも整数倍の増加を示さないデータが得られた。先にShaker Kチャンネルをもちいて行れた不活性化ゲートの数と不活性化との関係を検討した結果では、不活性化の時定数は不活性化ゲートに比例して整数倍の変化を示すとされていた。本研究の実験結果を解釈するうえで重要なことは作製したcDNAがコードするポリペプチドがすべて膜にあってチャンネルを形成するのに預かっているという仮定が正しいかどうかということである。このことを検証するため、第3および第4サブユニットにdominant negativeな変異をもつtetrameric cDNAを作製しこれが発現するチャンネルと野性型のtetrameric cDNAがつくるチャンネルの電気生理学的性質を比較検討する実験を現在行っている。
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