平成10年度において我々は雑種成犬をペントバルビタール麻酔後、42極の単極電極からなる電極板を右心房後面に縫着し、等時線図を得た。刺激電極を右心房後面下部に置き、電気的にペーシングした。ペーシング下に、PACAP-27を左心房内に挿入したカニューレより投与し、経時的に等時線図を得、洞結節領域を含んだ右心房筋の伝導速度に対するPACAPの作用と頚部迷走神経刺激の作用をatropineやpropranololの遮断薬を用いながら検討した。その結果、PACAP-27は副交感神経刺激時に観察される伝導時間のわずかな短縮とは異なり、経時的に伝導時間の延長と短縮を示すことを観察した。 また、βアドレナリン受容体とアセチルコリンムスカリン受容体の右心房内分布を検討するために[^<125>I]ICYPと[^3H]QNBを用いた受容体結合実験を開始し、洞結節は右心房の他の部分に比較してβアドレナリン受容体が密であることを確認した。
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