研究概要 |
1、 合成したEndothelin(ET)-1(1-31)は、ニュージーランド白色ウサギの腎臓より単離した輸入細動脈の内径を用量依存的に減少させた(Contro1:13.4±0.7μm,10^<-10>M:12.4±0.9,10^<-9>M:10.7±1.7,10^<-8>M:7.7±2.3^*,10^<-7>M:1.1±0.9^*,^*<0.05)。同様に、輸出細動脈の内径を用量依存的に減少させた.ET converting enzyme inhibitor、phosphoramidone、はET-1(1-31)による収縮に影響を与えなかった。ET-1(1-31)による細動脈の収縮作用は、ET_A受容体拮抗薬、BQ123、により阻害されたが、ET_B受容体拮抗薬、BQ788、の影響は受けなかった。ET-1(1-31)による細動脈の収縮作用は、ET_AまたはET_A-like受容体を介した作用と考えられる。 2、 合成したET-1(1-31)は、ヒト培養メサンギウム細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)を用量依存的に増加させた。低濃度(picomole range)でのET-1(1-31)による[Ca^<2+>]_i増加作用は、細胞内のカルシウム貯蔵部位からの動員と考えられた。 3、ヒトの腎臓組織内のET-1(1-31)を抽出・測定方法を確立した。腎腫瘍にて腎臓摘出手術を受けた腎臓内にはET-1(1-31)が存在しており、濃度はおよそ100pg/g tissue weightであった。
|