研究概要 |
私たちは、アフリカツメガエル卵母細胞にGタンパク質(Gi)で活性化されるK^+チャネル(GIRK1とGIRK2)をアフリカツメガエル卵母細胞に発現させ、そこにラット小脳より精製したmRNAを導入することにより、GABA_B受容体による内向き整流性K^+電流活性化が見られることを明らかにした。この結果より、ラット小脳には内向き整流性K^+電流と共役するGABA_B受容体の存在が示された。 そこでRT-PCR法を用いて既知の2つのGABA_B受容体をクローニングし内向き整流性K^+チャネル(GIRK1とGIRK2)とアフリカツメガエル卵母細胞にcoexpressionさせたが内向き整流性K^+電流活性化は見られなかった。これらの実験事実より次のような可能性が考えられた。 1) Bettlerのグループが明らかにしたGABA_B受容体の2つのサブタイプ以外に内向き整流性K^+チャネルを活性化するGABA_B受容体が存在する。 2) CGRP受容体で明らかにされたように、GABA_B受容体が内向き整流性K^+チャネルを活性化するには、共役する何らかの蛋白が必要。 次に私たちは、既知のGABA_B受容体クローンのcDNAを用い、ラット小脳より得たcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイゼーション法により、新たな2つのGABA_B受容体のクローンを見つけ出した(GABA_B1c,GABA_B1d)。しかしながら、この2つのクローンについても内向き整流れ性K^+チャネル活性化は見られなかった。
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