研究概要 |
(1)ヒトGM3合成酵素遺伝子染色体DNAのクローニングとその構造解析:ヒトGM3合成酵素遺伝子は、約54kbpの長さを示し、112〜1,242bpの大きさを示す7つのエクソンと6つのイントロンから構成されることが明かとなった。また、FISH解析の結果、本遺伝子は2番染色体短腕の中心体近傍(2p11.2)に存在することが判明した。 (2)ヒトGM3合成酵素遺伝子のプロモーター領域の解明と、転写調節に関わるシス領域及びトランス因子の同定:ヒトGM3合成酵素遺伝子の転写には、転写開始点近傍域(-285〜+103)が重要であった。特に、この領域に存在する2ケ所のSp1部位と、NFY部位が正の転写調節に必須であった。 (3)他種脊椎動物由来の相同遺伝子のクローニング並びに、比較生化学的手法によるGM3合成酵素の構造と機能の解明:サル及びラットから相同遺伝子cDNAを単離した。 (4)マウス相同遺伝子のクローニング並びに、マウスGM3合成酵素遺伝子染色体DNAのクローニングとその構造解析:マウスGM3合成酵素は41.2kDaの糖蛋白質で、その遺伝子は約58kbpの大きさを持ち、9つのエクソンと8つのイントロンから構成されていた。マウスGM3合成酵素遺伝子は、5'末端のみが異なる3種の転写物がalternativesplicing機構により合成されることが示唆された。 (5)GM3合成酵素遺伝子ターゲッティングマウス作製のための遺伝子改変:エクソン2の全域を含む領域をネオマイシン耐性遺伝子に置換したターゲッティングベクターを作製し、約200個のネオマイシン耐性クローンをサザンハイブリダイゼーション法で選別し、4個の相同組換えクローンを取得した。
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