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1999 年度 実績報告書

新しいインプリント遺伝子Impactの機能解析:様々なモデル生物を用いた多元的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 10670113
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 隆司  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90201326)

キーワードインプリンティング / Impact
研究概要

我々が見い出した新規インプリント遺伝子Impactに関して以下の点を明らかにした。
1)酵母ホモログYih1の機能解析
Impactの酵母ホモログYih1はそのN末端領域に我々がGImotifと名付けた特異的配列を持つ。GImotifには翻訳開始因子eIF2αのリン酸化酵素Gcn2にも存在し、Gcn1がこれに結合することがGcn2の活性化には必要である。GImotifを共有するYih1は、Gcn1との結合をGcn2と競合することでGcn2の活性化を阻害することから、翻訳開始の制御因子として働く可能性が示唆された。
2)線虫ホモログの機能解析
線虫ホモログをクローン化、RNAiによる機能破壊実験を試みたが顕著な表現型は観察されなかった。
3)ツメガエルホモログXimpactの解析
ツメガエルホモログXimpactをクローン化、X.laevisとX.borealis間のF1雑種を用いてアレル発現状況を検討し、両アレル性の発現を認めた。またXimpact mRNAの微量注入が原腸陥入に異常を来たすことより、この遺伝子の発現量の調節が正常発生にとって重要であることが示唆された。
4)哺乳類Impactの解析
ヒトホモログIMPACTをクローン化、3'UTRのSNPを利用してアレル発現を検討し、両アレル性発現を認めた。そこで両種におけるインプリンティングの差違の構造的基礎を探るべく両遺伝子のゲノム配列をBACクローンを用いて決定した。両者は全体によく保存された遺伝子構成をしていたが、インプリンティングされるマウス遺伝子にのみ特徴的縦列反復構造を持つCpGアイランドが見い出された。更にこの領域は母親由来のアレルのみがメチル化されることを明らかにした。よってこのアイランドはインプリンティングの成立に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nakamura, R. et al.: "The PC motif"Eur. J. Biochem.. 251. 583-589 (1998)

  • [文献書誌] Choi, D.-K. et al.: "Fluorescent Differential Display analysis of gene expression in apoptotic neuroblastoma cells"Gene. 223. 21-31 (1998)

  • [文献書誌] Yamada.T. et al.: "Spatiotemporal, allelic and enforced expression of Ximpact, the Xempus homolog of mouse imprinted gene Impact"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 256. 162-169 (1999)

  • [文献書誌] Choi,D.-K. et al.: "Developmentally-vegulated expressin of mVapor encoding an Elav-type RNA binding protein"Gene. 237. 135-142 (1999)

  • [文献書誌] Ito,T. et.al.: "Toward a protein-protein interaction map of the budding yeast"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 97. 1143-1147 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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