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1998 年度 実績報告書

遺伝子欠損マウスを用いた分化抑制因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670119
研究機関京都大学

研究代表者

横田 義史  京都大学, 医学研究科, 助教授 (50222386)

キーワード分化抑制因子 / Id / bHLH因子 / 細胞分化 / NK細胞 / 二次リンパ組織 / 遺伝子欠損マウス
研究概要

MyoDをはじめとするbHLH(basic helix-loop-helix)型転写因子は、種々の組織の発生・分化過程において重要な役割を果たしているが、Id2は、このbHLH型転写因子の機能を蛋白レベルで抑制する因子の一つであり、細胞分化を阻害する作用を持つ。これまでId2欠損マウスを作成してId2が生体で担う役割を研究してきたが、平成10年度におけるId2欠損マウスに関する研究実績は下記のとおりである。
1. リンパ節、パイエル板を完全欠損するが、胎生期の腸管、脾臓などに存在するCD4@@S1+@@E1CD3@@S1-@@E1IL-7Ra@@S1+@@E1という細胞表面抗原の特徴を持つ細胞集団がId2欠損マウスでは欠落しており、このためにリンパ節・パイエル板が形成されないことを明らかにした。また、脾臓はリンパ節・パイエル板と同じく二次リンパ組織ではあるが、組織学的にも機能的にも正常であり、脾臓が同じ二次リンパ組織の中でも異なった機構により発生・発達してくることを明らかにした。
2. NK細胞の分化障害があること、その原因がNK細胞の前駆細胞自体に障害があることを明らかにした。また、NK細胞の発生分化過程は未だに不明な点が多いが、CD4@@S1+@@E1CD3@@S1-@@E1IL-7Ra@@S1+@@E1という特徴を持ち二次リンパ組織の形成に不可欠な細胞集団から分化してくる可能性も示唆した。
3. 妊娠に伴う乳腺の分化発達がなく乳汁分泌を認めないが、これは、乳腺上皮細胞自体の分化障害であることを乳腺組織の移植実験などにより明らかにした。また、Id2欠損マウスの乳腺では妊娠中に乳腺上皮細胞の増殖はみられるものの、著明なアポトーシスにより消失していくことを確認している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Yokota: "Peripheral lymphoid organ and NK cell development depend on the HLH inhibifor Id2." Nature. 397. 702-706 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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