研究課題/領域番号 |
10670130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
秋田 朗子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40124432)
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研究分担者 |
川崎 博史 横浜市立大学, 木原研, 助教授 (70169704)
矢島 由紀子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60090114)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | プロテインキナーゼC / リン酸化 / thyrotropin-releasing hormone / MARCKS / 中間径繊維 / 分泌 / アポトーシス / 虚血 |
研究概要 |
プロテインキナーゼC(PKC)は、種々の生理機能に関与していることが示唆されている蛋白質リン酸化酵素群であり、分子レベルでの解明が急務である。しかし、12種の分子種が存在し、それら種間の基質特異性は酵素学的に低く、細胞内での選択的活性化と生理的基質の特異的リン酸化機構について殆ど明らかでない。本研究において我々は、脳下垂体腫瘍由来のGH細胞株をホルモン分泌細胞のモデル系として、遺伝子導入により樹立したε型PKC高発現株と野生株を用い、プロテオーム解析法により比較検討した。その結果、視床株ホルモンであるTRH刺激により活性化されるε型PKCがMARCKSと中間径繊維蛋白質をリン酸化することを見出し、これらの蛋白質がε型PKCの生理的基質であることを明らかにした。また、MARCKSと中間径繊維蛋白質のリン酸化の時間経過はTRH刺激に伴うプロラクチン分泌の経過と一致し、ホルモン分泌にε型PKCの基質が重要な役割を果たしている可能性を示唆した。現在、PKC分子種と基質の特異的シグナル伝達機構を探る目的で、ε型PKCと基質の相互作用を可能とする細胞内ターゲテイング機構について解明する糸口を探っている。また、今後、ε型PKCによる基質のリン酸化部位を決定し、それらのどの部位がホルモン分泌に結びつくのかを明らかにする予定である。他方、RBL-2H3マスト細胞からのアレルギー起因物質であるヒスタミンの放出にはβii型PKCが促進的に作用すること、アポトーシスや虚血系においてもPKCは分子種特異的に異なった役割を果たすことを明らかにした。
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