研究課題/領域番号 |
10670132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20208523)
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研究分担者 |
岡田 誠治 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50282455)
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20134364)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | Ncx / 転写因子 / ホメオボックス / ヒルシュスプルング病類縁疾患 / SSCP / RDA / DNA結合 |
研究概要 |
Ncxは神経堤細胞に特異的に発現しているホメオボックス蛋白である。そのノックアウトマウスは巨大結腸症を発症して死亡する。病理組織学的な検索より腸管神経節神経細胞の増加が認められヒトヒルシュスプルング病類縁疾患であるNeuronal Intestinal Dysplasia(NID)のモデルマウスであることが明らかとなった。昨年度同定したヒトNCX遺伝子の構造をもとにNID患者末梢血より単離したDNAを用いて遺伝子異常を検索した。またNcxは転写因子であることよりその上流および下流の遺伝子に異常があることも考えられ、プロモーター領域の異常を調べると共に下流遺伝子の検索も行った。 1.ヒトNID患者サンプルを30症例に増やしてSSCP-PCR法にてゲノムDNAの変異を解析した。ポリモルフィズムのある配列があった。また昨年度同定したプロモ一ター領域の神経堤細胞特異的に発現を規定する部位の変異も調べたが異常は認められなかった。 2.Ncx蛋白のDNA結合コンセンサス配列をGST-Ncx融合蛋白と15および35bpのランダム配列を含むオリゴマーを用いて決定した。その結果2種類のコンセンサス配列(5'-CGGTAATTGG-3',5'-CGGTAAGTGG-3')を同定した。 3.Ncx遺伝子によって調節される遺伝子群を同定する目的でNCXノックアウトおよび野生型マウスの腸管神経節細胞を用いてRepresentational difference analysis(RDA法)を行った。そのうち野生型に発現が高くノックアウトで低下している新規遺伝子(ND1 : Ncx dounstreame gene 1)をクローニングした。ND1はkelchファミリーに属する蛋白をコードしC末端に6つのkelch repeatをもち、アクチンと結合する。またN末端にはBTB/POZドメインが存在し、ND1同士でdimerを形成することが明らかになった。ND1を過剰発現することによりcytochalasinDによる細胞死を阻止することより細胞骨格の維持にかかわっていることが推測された。現在神経細胞におけるND1の機能およびNcx遺伝子とのかかわりについて検討している。
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