研究概要 |
平成12年度は平成11年度に続き、NIH3T3細胞にRab5,Rab7,変異型Rab5(持続性活性型および優性不活性型)および変異型Rab7(持続性活性型および優性不活性型)を発現させた細胞の分離を試みたが、これらのcDNAを発現している細胞は確立できなかった。現在、これらのcDNAをドキシサイクリンにより転写を調節できるプラスミドに導入し、細胞の確立を試みている。 さらに本年度は新たにカテプシンB,D,H,およびLのプロセシング酵素と考えられているレグマインのcDNAクローニングを行い、HEK293細胞に発現させてバフィロマイシンA1処理することによりそのプロセシングについて検討したが、平成12年度は初代培養マクロファージにバフィロマイシンA1処理することにより内在性レグマインのプロセシングについて検討した。その結果、内在性レグマインのプロセシングもcDNAを発現させた場合と同様にCA-074、ペプスタチンA、APMSF、およびシスタチンEWでは阻害されないがE-64-dでは阻害されることから、自己触媒的にプロセシングがおこるのではなくカテプシンB以外のパパイン型システインプロテアーゼにより成熟型レグマインに変換されることが明らかになった。この事実はリソソームに存在するカテプシンB、D、Lおよびレグマインは同一のプロセシングプロテアーゼにより成熟酵素化をコントロールされている可能性を示唆している。
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