研究概要 |
平成11年度はmixed medullary-follicular carcinomaの生化学的,in situ hybridizationの検討を行った。その結果次の様であった. 1.髄様癌、mixed medullary-follicular carcinomaおよび種々の疾患の人甲状腺組織を用い,カルシトニン、サイログロブリンmRNA発現,蛋白発現をnorthern blot法,in situ hybridization法、免疫組織化学法を用い検討した. 2.Northern blot法については甲状腺組織よりのRNA抽出に不備があり,このためカルシトニン、サイログロブリンmRNAの定量的観察が出来なかった。しかしin situ hybridization法、免疫組織化学法についてはほぼ一致した結果が得られた. 3.In situ hybridization法、免疫組織化学法ともに,mixed medullary-follicular carcinomaでは髄様癌部にカルシトニンmRNA,蛋白共に発現しており,一方濾胞癌の部分ではサイログロブリンmRNA、蛋白共に発現していた. 4.しかし,mixed medullary-follicular carcinomaの腫瘍細胞において,カルシトニン、サイログロブリンmRNA,蛋白は同一細胞において同時の発現は認められなかった. 5.甲状腺髄様癌,甲状腺腺腫,乳頭癌等においても腫瘍細胞にカルシトニン,サイログロブリンmRNA、蛋白レベルとも同時発現は観察されなかった.
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