研究概要 |
1. 末梢血、リンパ組織中での皮膚ホーミングレセプターの発現 主としてB細胞での発現を検討した。その結果、免疫グロブリン重鎖IgG,IgAやIgE陽性細胞はIgDやIgM陽性細胞に比し明らかに高率に皮膚ホーミングレセプター陽性細胞を見いだすことができた。少数例ではあるが、骨髄細胞での反応性をみたところCD10陽性CD19陽性の未熟なB細胞においても発現を確認した。 2. 細胞株での発現については現在鋭意行なっているところであるが、末梢性リンパ球の形質を有する細胞株のみならず、prepre Bやpre B細胞の段階にあたる未熟な段階の細胞からかなり広い分化段階で発現している。今後抗原分子量の特定をするが、各細胞株のみならず選択分取した正常B細胞とT細胞についても施行することを予定している。 3. 各種病変での発現を検討したところ、興味深いことに反応性や炎症性リンパ節炎のなかにみられるmonocyoid B細胞に明瞭に陽性所見をみとめた。monocytoidB細胞は形態的に組織球に近似しており、分化段階としてはpost germinal centerのB細胞にあたると考えられる。これと1の項目で示した免疫グロブリン重鎖での検索結果をあわせると、皮膚ホーミングレセプターはB細胞においては重鎖がclass-switchした、すなわち抗原刺激をすでにうけた細胞に発現していることが推察された。この点について今後より詳細に検討する。 4. 機能的な解析は代表的細胞株を用いて次年度におこなう予定である。
|