アルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase)を発現するヒト悪性リンパ腫細胞株を大量に培養した。培養細胞をPBSで洗浄後、TritonX-100を含む細胞融解液およびトリス緩衝液を加えて培増細胞を破砕した。n-Buthanolを加えて4℃で一晩撹拌し、抽出を行った。タンパク抽出液を透析によりn-Buhanolを除去後、1〜2倍量の冷アセトンを加え、アセトン沈殿によりアルカリフォスファターゼを含むタンパク質を沈殿させた。遠心し、上清を除去後、トリス緩衝液を加えて4℃で溶解させ、精製時まで4℃で保存した。アルカリフォスファターゼ精製では、まずゲル濾過クロマトグラフィーにより粗精製を行った。分注された溶液のアルカリフォスファターゼ活性を調べるため、それぞれの試験管から100μlずつ採取してELISAプレートに入れ、基質(0.2M diethanolamine、2mM MgC12、2mg/ml p-nitrophenyl phosphate)を100μlずつ加えて室温で30分間反応させた。0.3M KOHを加えて反応を停止させ、405nmの吸光度(OD405)を測定した。アルカリフォスファターゼ活性の高い部分を収集し、4℃で保存した。次年度は種々のアフィニティー、イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせてより精度の高い精製を行い、精製されたアルカリフォスファターゼを用いて抗ヒトアルカリフォスファターゼ抗体の作成、アルカリフォスファターゼのcDNAクローニングと一次構造の決定、アルカリフォスファターゼのcDNAをアルカリフォスファターゼを発現しない他の培養細胞株に導入してアルカリフォスファターゼtransfected細胞の作成を行う予定である。
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