1.ヒトリンパ腫細胞株からのアルカリフォスファターゼ(以下ALP)タンパクの精製ALP発現リンパ腫細胞を大量培養し、SDSを含むトリス塩酸バッファーで細胞膜を破砕してCell Lysateを作成した。液体クロマトグラフィーを用いて1)イオン交換カラム、2)ゲル濾過、最後に3)ハイドロキシアパタイトカラムでALPタンパクを精製した。当初の方法ではハイドロキシアパタイトはALPタンパクの精製には有効ではなかったため、Heparin、ConA、Lentil Lectin、Peanut lectinおよびWheat germ lectinのアフィニティーカラムを試行したが、いずれのカラム担体もALPタンパクとの親和性はみられなかった。そこで市販されている数種類のハイドロキシアパタイトのうちタンパク親和性が多少異なるものを担体に用い、さらにelution条件を変えたところ、クロマトグラフィーで高ALP活性を示す数本のフラクションが得られ、精製・濃縮が可能となった。 2.抗ALP抗体の作成 1)精製ALPタンパクによるマウスの免疫:上記1の方法で精製したALPタンパクをAdjuvandを用いずにマウスに皮下注し、4週後腹腔注、1週後に再度腹腔注し、3日後にマウス脾細胞とNS-1細胞とのFusionを行った。Hybridomaの上清とALP発現リンパ腫細胞とを反応させ、FACScanシステムでスクリーニングし、全クローンの約80%が陽性を示した。このうち反応の強いものから30クローンを選び、Hybridoma細胞を増殖させている。 2)ALP発現リンパ腫細胞を用いたマウスの免疫:ALP発現リンパ腫細胞をPBSに浮遊させ、1)と同様のスケジュールでマウスを免疫した後Fusionを行った。得られたHybridomaをスクリーニングし、14の陽性クローンが得られ、次段階のスクリーニングのために増殖させている。 今後、ALP非発現細胞株との反応やimmunodepletion法を用いて抗ALP抗体の確認をする。
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