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1998 年度 実績報告書

腺管分離法を用いた大腸癌の腫瘍内heterogeneityの解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670171
研究機関岩手医科大学

研究代表者

中村 眞一  岩手医科大学, 医学部, 教授 (20107816)

キーワード腺管分離法 / 大腸癌 / heterogeneity / ミスマッチ修復遺伝子 / DNA複製エラー / フローサイトメータ
研究概要

腺管分離法を用い、大腸癌の腫瘍内heterogeneityの解析を行った。
1. ミスマッチ修復(MMR)遺伝子の異常が原因とされるDNA複製エラー(RER)陽性癌では、固有の癌化様式が存在する。MMR遺伝子の異常と腫瘍内heterogeneityとの関係を評価した。散発性大腸癌46例の腺管分離材料を対象とし、(1)MMR遺伝子(MSH2,MLH1)の点突然変異と遺伝子欠失(LOH)、(2)癌抑制遺伝子p53遺伝子のLOH、(3)RERを調べた。MMR遺伝子の2ヒット症例では単一癌腺管ごとにDNAを抽出し、同様の解析を行った。現在までに以下の結果を得た。(1)MMR遺伝子のLOHはRER陽性癌で多く検出された。(2)そのLOHはp53遺伝子のLOHとは異なり腫瘍内でheterogeneityを示した。(3)MMR遺伝子の2ヒット症例の癌腺管は点突然変異のみを有する腺管群(1ヒット)とLOHを伴う腺管群(2ヒット)とに分類され、腫瘍内heterogeneityの存在が腺管単位で証明された。(4)MMR遺伝子の不活性化は抑制遺伝子のそれとは異なり、腫瘍内でheterogeneityを誘導するユニークな機構で癌化に寄与する可能性が考えられた。(Oncogene,16,1259,1998)2. diploidおよびaneuploidを示す腫瘍細胞の分子生物学的特性を明らかにするために、同一腫瘍内で両細胞群を有する24例の大腸癌を対象とした。各腺管分離法材料よりフローサイトメータを用い、diploidとaneuploidの腫瘍細胞群(各10^4 cell以上)を分離回収した。抽出DNAについては、PCRによる遺伝子増幅が可能であった。(現在解析中)

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Habano W,Sugai T,Nakamura S,Yoshida T: "A novel method for gene analysis of colorectal carcinomas using a crypt isolation technique." Lab Invest. 74. 933-940 (1996)

  • [文献書誌] Habano W,Sugai T,Nakamura S: "Mismatch repair deficiency leads to a unique mode of colorectal tumorigenesis characterized by intratumoral heterogeneity" Oncogene. 16. 1259-1265 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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