研究概要 |
腺管分離法を大腸癌の遺伝子解析に応用し、正確な腫瘍内heterogeneityの評価ができることを証明してきた(平成10年度報告書)。腺管分離法は変異遺伝子の検出感度についても従来法より優れることから、細胞質内にheterogeneousに多数(10^2〜10^3個/細胞)存在するミトコンドリアDNA(mtDNA)の解析にも有用であると考えられた。そこで散発性大腸癌の腺管分離材料を対象に、1)mtDNA非コード領域内の(C)n(7≦n≦9)配列におけるmicrosatellite instability(MSI)、2)mtDNAコード領域内のミトコンドリア遺伝子変異を検索した。その結果、45症例中20例(44%)においてmtDNAのMSIが検出され、そのうち3例においてはコード領域内のミトコンドリア遺伝子の変異(いずれもマイクロサテライト変異によるtruncated proteinの合成が予想された)が認められた(Oncogene17,1931,1998)。以上の結果はミトコンドリアゲノムの不安定化が腫瘍の発生・進展に関与する可能性を示唆しており、現在詳細な検討を行っている。
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