研究課題/領域番号 |
10670175
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
|
研究分担者 |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
池田 英之 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (40301494)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
|
キーワード | TC抗原 / SAGE / SEREX |
研究概要 |
癌患者T細胞や抗体が免疫応答を起こす腫瘍抗原の一つに、各種腫瘍と正常組織では精巣にが認められるCancer-Testis抗原が報告され、免疫療法の標的として期待されている。 本研究は各種癌細胞および正常組織では精巣に特異的に発現する新しいCancer-Testis抗原の単離・同定を試みる。今年度は、SAGE法(serial analysis of gene expression)を用いてcDNAサブトラクションを行い、精巣特異的遺伝子の単離を試み、また発現クローニング法を用いて癌患者血清中のIgG抗体が認識する抗原の精巣cDNAライブラリーからの単離を試みた。 1. SAGE法を用いたcDNAサブトラクション:精巣組織RNAからSAGEライブラリーを作製し、精巣に発現するcDNA-tagを約20,000個シークエンスした。同時に行ったメラノーマのSAGEの結果と比較して、精巣に特異的に発現する可能性のあるcDNAを選択し、遺伝子データベースで検討した。次年度は、より多くのcDNA-tagをシークエンスするとともに、個々の単離cDNAの正常および癌組織での発現性および免疫原性を検討する。 2. λファージライブラリーによる癌患者の抗体が認識する精巣蛋白のcDNAクローニング:精巣組織からλファージ発現cDNAライブラリーを作製し、膵癌患者の血清を用いて、約50万個のプラークをスクリーニングし、2個の陽性ブラークを検出した。その遺伝子は いずれも新規遺伝子であった。膀胱癌患者血清を用いた場合、3個の陽性プラークが得られ、1つは既知の遺伝子であったが、2つは新規遺伝子であった。次年度はスクリーニングを継続し、個々の単離cDNAの組織発現特異性および多数の正常人および癌患者血清による認識を検討することにより、単離抗原が免疫療法に使用できる可能性があるかどうかを検討する。
|