研究課題/領域番号 |
10670176
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堤 寛 東海大学, 医学部, 助教授 (80138643)
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研究分担者 |
吉村 眞一 東海大学, 医学部, 講師 (30230808)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助手 (70216878)
梅村 しのぶ 東海大学, 医学部, 講師 (20276794)
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キーワード | 授乳期乳腺 / magentosis / 細胞死 / 一本鎖DNA / マウスモデル / poly(ADP-ribose) / PAS染色 / 甲状腺乳頭癌 |
研究概要 |
Magentosis(核がPAS染色でmagentaに染色される)はヒト授乳期乳腺の退縮早期にみられる細胞死の一形態で、一本鎖DNA蓄積を伴う。本研究の目的は、このmagentosisの生物学的意義の解明にある。 (1)magentosisが授乳期乳腺退縮早期にのみにみられる現象なのか否かを確認するため、昨年度に引き続き、ヒトのホルモン反応性臓器におけるmagentosisの出現を観察したが、1例の甲状腺乳頭癌を除いて、magentosisの出現は確認されなかった。甲状腺癌におけるmagentosisに関しては、現在発表準備中。 (2)昨年に引き続き、マウスを用いた実験系で授乳期乳腺におけるmagentosisの出現動態を検討した。マウス乳腺においてはapoptosisが主体であり、ヒトのmagentosisに相当する変化はさまざまな実験条件下においても見出すことができなかった。 (3)magentosisを示す核におけるPAS陽性反応と一本鎖DNA出現の関係を明らかにする目的で、ポリADPリボシル化に注目した組織化学的検討を行った。poly(ADP-ribose)の核内蛋白への付加による活性阻害は、DNA損傷に伴う緊急停止反応として理解されている。免疫組織化学的にpoly(ADP-ribose)の存在が確認され、ribose分子内のvicinal diol基の存在がPAS陽性反応として認識される可能性が高いと思われた。実験モデル作製が不成功だったために、小回りの利いた解析を行うことができなかった(ヒト授乳期乳腺を新鮮材料として入手することは困難であった)。
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