研究課題/領域番号 |
10670263
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
仲宗根 昇 琉球大学, 医学部, 助手 (80175497)
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研究分担者 |
本馬 恭子 琉球大学, 医学部, 助手 (90253955)
岩永 正明 琉球大学, 医学部, 教授 (00112384)
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キーワード | コレラ菌 / 定着因子 / LPS糖鎖 / 外膜蛋白 |
研究概要 |
コレラ菌の感染防御抗原すなわち付着因子抗原の確定は、まだ混沌としている。我々はこの抗原としてコレラ菌LPSと外膜に存在する蛋白(OMP)に着目し、研究を行っている。OMPの主要成分の一つであるOmpUは病原性遺伝子群にコントロールされているポーリン蛋白であり、感染防御抗原の候補に上がっているが、完全な形での証明はなされていない。今回我々はOmpUの感染防御抗原としての機能について、MASK法を用いて検討した。クラシック型コレラ菌86B3株からnativeな状態で精製したOmpUの物理化学的性状は、既報のものと完全に一致し、純品であることを確認した。精製OmpUは、ウサギbrush border membrane及びホルマリン固定ウサギ小腸に付着した。しかし、コレラ菌はOmpUで前処理した腸にも、処理していない腸にも同程度に付着した。抗OmpU抗体はWestern blottingでOmpUのみに特異的に反応するが、菌体を凝集しなかった。このことは、OmpUは菌体表面に露出していないことを示している。この特異抗体から調整したFab画分で菌体を処理しても、菌の付着は阻止されなかった。これらの結果はin vitroにおいてOmpUは小腸に付着するが、コレラ菌の感染防御抗原とは成り得ないことを示している。
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