研究課題/領域番号 |
10670278
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
中込 とよ子 秋田大学, 医学部, 助手 (40155693)
|
研究分担者 |
今川 忠 財団法人 阪大微生物病研究会, 部長(研究職)
望月 雅美 共立商事, 研究開発本部, 部長(研究職)
中込 治 秋田大学, 医学部, 教授 (70143047)
|
キーワード | ロタウイルス / 非構造タンパク / エンテロトキシン / 下痢症 / 病原性 |
研究概要 |
ロタウイルスは小児に重症の下痢症を起こすばかりでなく、さまざまな動物の下痢症の病原体としても重要である。ロタウイルスは腸上皮細胞に対する直接的障害により、下痢を引き起こすと考えられてきた。ところが、最近ロタウイルスの非構造蛋白であるNSP4にエンテロトキシン活性があるという報告がなされ、ワクチン開発を含めその新たな可能性のために、世界的に注目を集めるみ至った。しかし、この報告を追試確認した報告はなく、実験系もサルロタウイルスのNSP4蛋白を乳のみマウスに投与した系があるのみであった。われわれは、宿主域の異なる14種類のロタウイルス株についてNSP4蛋白の全アミノ酸配列を決定したところ、マウスロタウイルスのNSP4はサルロタウイルスのNSP4を含め他のすべてのNSP4と著しく異なることを見いだした。したがって、NSP4がロタウイルス下痢症に共通のpathogenesisとしてよいかどうかに疑問がもたれた。そこで、今年度の研究では、(1)homologousのロタウイルスはNSP4が本来の宿主に下痢をおこすのか、(2)NSP4の活性部位がどこにあるのか、を明らかにすることを目的に研究を行った。その結果、われわれは、マウスロタウイルスNSP4のカルボキシ末端側に、homologousな実験系である新生マウスを使って、エンテロトキシン活性があることを証明した。本研究により、homologousな実験系での解析の基盤が確立した。
|