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1998 年度 実績報告書

ヒト・レトロウイルスの感染マウスモデルの解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670280
研究機関筑波大学

研究代表者

三輪 正直  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (20012750)

キーワードヒトレトロウイルス / HTLV-1 / ATL / 動物モデル / マウス / 白血病
研究概要

目的
我々は、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)のマウスへの感染モデルを作成し、HTLV-1による白血病がどの様なステップを経て引き起こされるかを、感染マウスモデルを用いて以下の段階を踏んで明らかにしたい。
1) 感染マウス体内でのHTLV-1の臓器分布と遺伝子発現の変化を経時的に明らかにする。
2) HTLV-1に感染したマウスの細胞の種類を明らかにし、それらの細胞の経時的動態を明らかにする。感染細胞がクローナルな増殖を開始する時期を明らかにする。
3) がん遺伝子やがん抑制遺伝子のトランスジェニック又はターゲッティングマウスなどへHTLV-1を感染させ、成人T細胞白血病(ATL)様の発症の有無を調べる。
本年度の成果は以下の通りである。
1) HTLV-1を11匹の新生仔マウスに接種後、4カ月において、脾臓、リンパ節等よりDNA抽出を行い、プロウイルスをPCR法で検出した結果、リンパ組織より高率にプロウイルスが検出された。末梢血での検出は、頻度が低く、末梢血でプロウイルスが検出されない場合でもいずれかの臓器においてプロウイルスが検出された。又、これらの臓器についてのウイルス遺伝子の発現は、認められなかった。抗HTLV-1抗体は、陰性であり、新生仔に感染したことによると考えられた。現在更に感染後1年以上の観察を行ったいる。
2) HTLV-1の感染後4カ月において、感染細胞の種類を同定する目的で、脾臓の細胞を細胞表面マーカーによってFACSで分離し、PCRにて検出した。その結果、CD4+細胞、CD8+細胞等のT細胞の他に、B細胞、顆粒球白血球にもHTLV-1プロウイルスが検出され、広範な種類の細胞に感染が成立することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Feng,R., et al.: "Human T-cell leukemia virus type 1 can infect a wide variety of cells in mice." Jpn.J.Cancer Res.90. 48-54 (1998)

  • [文献書誌] Fang,J., et al.: "Transmission of human T-cell leukemia virus type 1 to mice" J.Virol.72. 3952-3957 (1998)

  • [文献書誌] Maeda,N., et al.: "Inhibition of human T-cell leukemia virus type 1 replication by antisense env oligodeoxynucleotide." Biochem.Biophys.Res.Commun.243. 109-112 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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